話題のバンド、いーはとーゔの菊地芳将とキム・ガンホ&柳本篤が鼎談
ルーツミュージックへ向けられる愛情を掘り下げる
菊地芳将(いーはとーゔ)/ キム・ガンホ(ラリーパパ&カーネギーママ)/ 柳本篤(citymusic)
今年のフジロック・フェスティバルにも出演した話題のバンド、いーはとーゔ。嬉しいことに彼らはラリーパパから影響を受けてくれているという。その愛と熱は相当なもの。我々が今いちばん気になる男、いーはとーゔの中心人物であるベース・菊地芳将(キクチヨシマサ)氏を迎えて、そのきっかけや自身のルーツを紐解くことに。阪急淡路駅からすぐの居酒屋でビールを飲みながら和やかな時間がスタートした。
父親が車の中でガイ・クラークばっかり流してました
柳本:ガンホくんは生ビールですよね。
ガンホ:うん、せやね。
柳本:キクチくんも?
キクチ:はい、僕も生で。
柳本:いやー、やっと会えたねぇ。
キクチ:はい、お二人を目の前にするとちょっと緊張が…。
ガンホ:そんなええもんちゃうで、俺ら(笑)
柳本:ほんとほんと(笑)
ガンホ:いや、それにしてもフジロックのHPでアップされた「Good morning girl」聴いて「あー!これはいい!」と。
キクチ:ありがとうございます!
柳本:キクチくん、今いくつ?
キクチ:23です。95年生まれです。
ガンホ:親子ほど違うやん…(笑)
柳本:20歳違い(笑)ラリーパパのデビューは25歳でしたっけ?
ガンホ:そう、25歳。2001年やね。キクチくんがラリーパパ聴いたのっていつなん?
キクチ:今めちゃくちゃ好きなんですけど、結構ほんとここ最近で。Wanna-Gonnaの砂井さん(ドラム)と個人的に交友があったんです。僕がたけとんぼのサポートをしてたときにイベントで一緒になったのが最初で。砂井さんはWanna-Gonnaじゃないバンドで出られてて、終演後にちょっとお話させていただいたんです。ザ・バンドが好きっていう話から始まって、ラリーパパ&カーネギーママの名前も出て。ちょうどその頃Apple Musicに加入したばっかりで検索かけたら『LIVE』が出てきたんです。
柳本:砂井くん!
キクチ:聴いて3秒でファンになりました(笑)
ガンホ&柳本:(笑)
キクチ:最後の「ラストショウ」にほんとに感動して。こんなにザ・バンドみたいなことできるんだ!って。全員で歌う感じのコーラスとかギターの音からドラムから、もう全部。あのとき終電逃して歩いて帰ってたんですけど泣きましたもん(笑)そのあとすぐメンバーにラリーパパ聴きなさい!って。
柳本:ステキ!
ガンホ:ザ・バンドは何がきっかけやったん?
キクチ:中学生の頃にですね、父親に無理やり見せられた『ラスト・ワルツ』です。
ガンホ:中学生か、早いな…。でも映像からってことは俺と一緒やな。
キクチ:そのときはよくわかんなかったんです。ビートルズばかり聴いてたんで。あとハードロックも好きでした。
ガンホ:お父さんはいくつ?
キクチ:58歳です。父はブルースが好きで、マディ・ウォーターズが映画に出てるから多分それがきっかけだったのかもしれないです。あと『キャデラック・レコード』も映画館に連れていかれて。
柳本:ほえー、素晴らしいなぁ。
キクチ:僕はビートルズが好きだったんですけど、ジョージ・ハリスンのソロ聴いてだんだんスワンプに…。スタジオミュージシャンが好きでそういうのを追っかけていきました。
ガンホ:ビートルズと、お父さん。
キクチ:そうですね。でもビートルズも実は父への反抗というか。父はブルースとかカントリー、アメリカの音楽がとにかく好きでビートルズはあまり聴いてないって言ってたので。楽器始めたりもして。で、ジョージがいちばんポップでいちばん田舎臭いとうか。実は僕、小さい頃にアメリカ南部に住んでたんです。
柳本:ええ!どこに!?
キクチ:南西部、ニューメキシコ州です。0~5歳までなんですけど。
柳本:そのときの記憶はある?
キクチ:はい、風景とか覚えてはいるんですけど、すごく小さいときの記憶なんで、ある種憧憬に近いというか。
ガンホ:もう肌で感じてたんやね。
キクチ:あとは父親が車の中でガイ・クラークばっかり流してました(笑)
柳本:ガイ・クラーク!!!(爆笑)
ガンホ:もう俺らとは違いすぎる。英才教育やもんなぁ。子供の頃からそういう音楽に慣れ親しんでたってことやもんね。
柳本:ニューメキシコ州に住んでたのはお父さんの仕事の関係で?
キクチ:父は今デザイナーやってるんですけど元々は絵描きになりたかったみたいで。当時ネイティヴアメリカンの文化にすごく感銘を受けて、そういう人たちを現地で描きたいっていうのがあったそうです。
ガンホ:なかなかアクティヴなお父さんやね。
キクチ:母も母で破天荒というかファンキーというか(笑)
柳本:兄弟は?
キクチ:2つ下の弟がひとりいます。今は手品に傾倒してます。
柳本:すごい家族!(笑)
アメリカンロックに追随するとか染まるとかじゃなくて、ちゃんと取り込んで自分たちの音楽になってるよね
ガンホ:東京の若い世代でそういう音楽が好きな人ってどれくらいおるんやろ?
キクチ:ライヴハウスのブッキングなんかは似た方向性のバンドを組んでくれたりします。で、話してみたらシュガーベイブ好きです、細野さん好きですとか言われたり。僕たちはザ・バンド好きなんですとか言ってみたり。
ガンホ:そういうブッキングってありがたいよね。
キクチ:古い音楽(ルーツミュージック)やってるバンドでも黒いのが好きなバンドって多いと思うんですよ。ファンキーな、ネオソウル系とかも結構多いし。でも白人が演奏するブルースの原点に近いものをやってる日本のバンドってラリーパパ以外僕は出会ったことがないんです。
柳本:いろいろごった煮してるしね。
ガンホ:いーはとーゔはなんて言うたらええんかな、すごい整理してるよね。
キクチ:意外と思われるかもしれないんですけど、フレーズを入れるのが嫌いな人間が多くて。”編成に頼ってない音”とたまに言っていただけたりします。
ガンホ:なるほどね、エキセントリックさはあんまり無いよね。俺らほんまにややこしいことやりすぎるから(笑)
柳本:あなたがいちばんエキセントリックやから(笑)
ガンホ:いや、指示もあったで!でもザ・バンドってソングライティングとか整ってる音楽やけど、デッドとかそっちもやりたかったから。あくまでも方向性はザ・バンドやけどインプロが長い、みたいな。20分の曲とかあったもんなぁ。
キクチ:そういうときはサイズとかも決めてなかったりするんですか?
ガンホ:うーん、ある程度は決めてたかな。
キクチ:僕たちもそういうライヴをやってみたいんですけど、そこまで長尺のライヴをまだやったことがないんで。
柳本:12月にライヴあるやんね?<かわむらきょうこ>っていうやかましいおばちゃんが観に行くって連絡あったんで(笑)
キクチ:あ、来ていただけるんですか!?
ガンホ:本業は音楽ライターでええんかな。「ハイドパーク・ミュージックフェスティバル」の司会を麻田浩さんと一緒にやってたり。
キクチ:マーク・ベノと一緒にやったときの?
ガンホ:そうそう。かわむらさんはたまに頭撫でたら喜ぶから(笑)
柳本:YouTubeでいーはとーゔのライヴ映像見たそうです。例のフジロックの。
キクチ:うれしいです。思いっきりミーターズやってますけど(笑)あ、あとラリーパパでもミーターズ入るやつあるじゃないですか。
柳本:「まちとまち」かな。
キクチ:そう!あれです!!
ガンホ:他のメンバーは別でユニットやってたりするの?
キクチ:ギターの森くんとボーカルの戸谷がソロでやってたり。僕は川床というバンドもやってます。川床はご縁があって誘われて、そっちではギター弾いてます。
柳本:元々はギター?
キクチ:はい、ギターから始めました。
ガンホ:メインはいーはとーゔが動いていく、みたいな?
キクチ:川床とあんまり優劣つけたくないんですけど、どうしても活動頻度に差が出てきてる感じはあります。
柳本:いーはとーゔのリーダーは誰になるんやろ?
キクチ:一応僕ということになってるらしく(笑)でもどうなんですかね?僕はあんまり意識ないんですけど。
柳本:リーダーはいたほうがいいですよね、ガンホくん。
ガンホ:うん、せやな。おったほうがええかなぁ。ウチは昔は辻くんがいろいろ細かいことやってくれてた時期もあったけどね。
柳本:いーはとーゔは結成してどれくらい?
キクチ:1年ちょっとですかね。
柳本:あ、もっとやってるんかと思ってた!
ガンホ:曲がいいよね。アメリカンロックに追随するとか染まるとかじゃなくて、ちゃんと取り込んで自分たちの音楽になってるよね。
キクチ:ありがとうございます!!
柳本:12月はWanna-Gonnaとも決まってるやんね。
キクチ:そうなんです、うれしいことに実現しました。でも砂井さんと「ラリーパパを呼んで3マンを…」って勝手に言ってたりして(笑)
柳本:それ!いい!やろう!
ガンホ:はぁ~若かったらなぁ…。いつでも行くねんけどなぁ…。
全員:(爆笑)
ガンホ:もうちょい早よ出てきてほしかったわー!
柳本:いやいや、今やからいいんですよ!
ガンホ:でも昔は切磋琢磨でけへんかってんて。こいつらには負けたくない!とかそういう感情って大事やん。
キクチ:そうですよね。僕らの場合はたけとんぼとかがいたりするので。助け合うとこは助け合って、もうバチバチになるときもあったりしますけど(笑)たけとんぼは日本のフォークを主体にしてるので、同じジャンルじゃなくてよかったなと思ってます(笑)
柳本:風貌からにじみ出てるよね。
キクチ:はい、そうなんです。SNSで見たんですけどアルフィーの坂崎さんとツーショット撮ってて、若いときと今、みたいな状態でした(笑)
ザ・バンドとか好きなものは白米
ガンホ:俺、映画好きで最近の映画も見るんやけど、ちょっとしんどいときとかあったりして。そういうときはアメリカン・ニューシネマ見たりするんよね。なんか普遍的なものを欲してるというか。それを音楽に置き換えたとして、キクチくん的に60~70年代のロックって普遍的なもんなんかな?例えば全然違うジャンルやってみるとか。あのー、あれなんやっけ? DTM?
柳本:EDMちゃいます?
ガンホ:違う。
柳本:え、でも辻くん言うてたでしょ?前に。EDMですよ。
ガンホ:そうか。まあそれはええわ。
キクチ:(笑)元々はやっぱりUKが好きなので、踊れるロックというものは好きなんですけど、やろうとは思わないですね。でもやるとすればいーはとーゔじゃないと思います。
柳本:まあそうなるよねぇ。
キクチ:うーん、なんて言ったらいいんでしょう?ザ・バンドとか好きなものは白米でおかずが変わる、みたいな感じというか(笑)
ガンホ:うまいこと言うたな!(笑)
柳本:それ使お(笑)
キクチ:基本的に白米食べるけどでも他もちゃんと食べないと、みたいな感じです(笑)
柳本:ザ・バンドは白米。今回のタイトルにします(笑)
ガンホ:ザ・バンドのジャンルってよくわからんやん。ジャズ、ブルース…
キクチ:プログレかと思うときもあったりしますよね。
柳本:ガース教授がね。
ガンホ:「ザ・バンドは未来のバンドや」みたいなことをクラプトンが言ってたらしいよ。トラディショナルな部分とかプログレの要素とか、ソングライティングの面でもそうやと思うし。
キクチ:だからこそ今まで数多のバンドがザ・バンドをカバーしてたりするんでしょうね。ウィーザーが「ウェイト」やってるくらいだから。
柳本:ビートルズはどのアルバムが好き?時期とかでも。あ、いや、難しい質問ということはわかってるんやけど(笑)
キクチ:うわー、そうですねぇ。あれは一応初期になると思うんですけど、『フォー・セール』『ヘルプ』あたりですかねぇ。
柳本:おおー!シブいとこ来た!!
キクチ:(ビートルズが)カバーしなくなる頃が好き、という感じというか。
ガンホ:60?
柳本:64,5年ですね。
ガンホ:アイドル的存在から切り替わっていく頃か。
柳本:ラリーパパは結成前にビートルズのコピーバンドやってたんですよね。ガンホくんの加入前でしたっけ?
ガンホ:いや、俺もやってたよ。ベース弾いたりしてたし(笑)
柳本:ところでキクチくんはいわゆるレコード・コレクター?例えば名盤はオリジナル盤じゃないと嫌だ!とか。
キクチ:それがまったくないんです。聴ければいいんです。何よりそのミュージシャンが好き、その曲が好きというのが一番にあるのでオリジナル盤とかに重きは置いてないんです。あとジャケ買いもたまにしたりします。本とかでもたまにやるんですけど。装丁買いって言えばいいんですかね?
ガンホ:作家は誰が好き?
キクチ:宮沢賢治です。
柳本:そっか、いーはとーゔは宮沢賢治からやもんねぇ。
キクチ:はい、そうなんです。本の虫というほどじゃないんですけど、ヘルマン・ヘッセとか純文学は昔から好きです。
もしもし。はい、キクチと申します
柳本:そうそう、さっき外で撮った写真アップしていい?
キクチ:もうもうぜひ!
ガンホ:いーはとーゔ、Wanna-Gonna、たけとんぼ。同世代でこのバンドもいい!っていうの他にもおる?
キクチ:少し年齢が上になるんですけど、僕らも仲良くさせてもらってるmogsan(モグサン)とか。
柳本:mogsan!僕も気になってる!!
キクチ:彼らは細野晴臣さんとかから影響を受けてたり。ボサノバを取り入れたりもしてますし。演奏力も高いし音も洗練されてるし。僕はもう単純にファンです。あとThe Kota Oe Bandもオススメです。
柳本:出た!和製デレク・トラックス!!
キクチ:そうですそうです!あの人たちはほんとえげつないです(笑)僕よりちょっと上なので20代後半くらいだと思うんですけど。
柳本:僕も最近知ったばっかりで。青山陽一さんが絶賛してたのがきっかけで。
キクチ:そうそう、青山さんとは年末一緒にやるみたいです。同世代ではこのあたりが注目というか刺激をいただいてます。
柳本:なるほど。やっぱりね、じりじり波が来てるんですよ。僕らもこの波に乗らんと無人島行かなあかんようになるんちゃうかなって思ってるんです(笑)
ガンホ:ははは!切実やね!(笑)
(ガンホの携帯に着信)
ガンホ:あ、もしもし。どうもどうも、まいどです。ん?ええ、そうそう。本人目の前にいるんすよ。
柳本:かわむらさん?さっきフェイスブックにアップしたらハイテンションなコメントしてくれてた(笑)
ガンホ:え?うん、そうそう。キクチくんに代わりましょか?キクチくん、かわむらさんがしゃべりたいって。
キクチ:あ、もしもし。はい、キクチと申します。
ガンホ&柳本:(爆笑)
キクチ:あ、はい、初めまして。はい!いえ、ありがとうございます!
ガンホ:かわむらさん、畳みかけるようにしゃべっとるな(笑)
(…1分ほど電話が続く)
キクチ:…あ、はい、そうですね。いえ、とんでもないです。はい、来月楽しみにしてます!いえ、はい、ありがとうございます。じゃあガンホさんに代わります。
ガンホ:もしもし?え?かわむらさんが舞い上がった?(笑)まあ当日またいろいろしゃべったらよろしいがな。え?野上さん?あららら。
柳本:電話長いな!かわむらきょうこ!(笑)
ガンホ:はいはい、え?あーはいはい。わかったわかった。10回くらい言うとくんで。はいはいー、ほなまた。
柳本:電話してくるって珍しいですよね。
ガンホ:キクチくんとしゃべって舞い上がったみたいやわ(笑)
キクチ:いえいえ、そんな…ありがとうございます。
褒め言葉なんですけど、いい意味で自分がないんです
キクチ:僕、ラリーパパ観れたら号泣です。やっぱりツインリードボーカルっていうのが。「黒猫よ、待て!」とか大好きで。
ガンホ:バンド同士でオモロいことできそうな時期にラリーパパがこんな状態ってのが申し訳ない。
キクチ:でもバンドの中でいろいろあると思うので。僕はその前にファンですし(笑)ファンがあんまりギャーギャー言い過ぎるのも良くないと思うので。
柳本:でも周りから言ってもらわんと、ずるずるしちゃうから、ずーっと(笑)
キクチ:そういえば『ドリームズヴィル』のジャケットって春一番のポスターもやられてる方ですよね?
柳本:うん、森さん。森英二郎さん。
ガンホ:あのジャケットのおかげで売れたね(笑)
キクチ:いえ中身も!僕がいちばん好きなアルバムなんです!全スタジオ音源の中で。
ガンホ:聴き込んでいったら、あれ?これ変なアルバムやな?ってなる。演ってる側が言うのもあれやけど、いい意味で。コアな部分が凝縮されてるのが『ドリームズヴィル』かもしれん。
キクチ:長門芳郎さんがラリーパパのアルバムでいちばん好きなのが『ドリームズヴィル』なのかなって思ったりもします。「夢の街へ」とか特に。
柳本:ソフトロックなテイストもあるし。
キクチ:僕らの「Good morning girl」を気に入ってくれたのもそういうのがあったりするのかなって思って。
ガンホ:あのアルバムは実験的な部分もあって、本流の音楽じゃない、ちょっとずれてるような感覚っちゅうか。
柳本:やっぱりザ・バンド的なんでしょうね。
ガンホ:まあそうなるか。
柳本:いーはとーゔのメンバーで好きなミュージシャンがカブる率って高い?
キクチ:全然高くないですね。ドラムの中村に関してはルーツミュージックは知らないタイプでした。いちばん最年長で28歳なんですけど、元々L’Arc~en~CielとかELLEGARDENとか好きな人間でした。
ガンホ:最近の音楽やなぁ。いや、最近でもないか(笑)
キクチ:これは褒め言葉なんですけど、いい意味で自分がないというか。
ガンホ:わかる!めっちゃわかるわ!
柳本:急に声デカなった(笑)
キクチ:ただ、好き嫌いがないわけじゃないんです。こっちよりこっちのほうが好きってちゃんと言ってくれるんです。
ガンホ:だから整って聴こえたんやわ!
キクチ:ドラムに泥臭さはないと思います。
ガンホ:ない!そう!ないねん!辻くん入ったらめっちゃ変わると思う。
柳本:そりゃそうでしょ(笑)というか入れたらいーはとーゔが可哀想(笑)甲高い声で騒がしいよー!
ガンホ:ほんまやな(笑)
キクチ:ザ・バンド的なアプローチをしたいんですけど新曲ができるたびにそうじゃない、ちょっと貸して!って僕が叩いてこうやってほしいって言うんです。彼は上手いのでそれがすぐできるんですよね。
ガンホ:音源聴いてドラムにクセがないのはわざとやってるんかなって思ってたのよ。
柳本:目から鱗ですね。
ガンホ:いやだから、なんちゅうか、ヒョンレも言ってたけどそういう部分がないねんな。
柳本:どういう部分?
ガンホ:ノイジーな部分っちゅうか。
柳本:あー、言ってましたね。毒っ気?
ガンホ:うん、あ、いや、毒っちゅうか、尖った感じとか。さっきもインプロやってみたいって言うてたけど。なんちゅうたらええんかな。もっとこう精神的なとこの…アシッドな感じっちゅうか…。
柳本:(笑)ガンホくんはそういういーはとーゔも聴いてみたいってことですね?
ガンホ:そうそう!だから今後がめっちゃ楽しみやねん!
(2018.11.17 大阪 淡路駅前某居酒屋にて)
いーはとーゔ
2017年4月、それぞれのバンドでの活動を経た、戸谷、菊地、森の3人がルーツミュージックを志し活動開始。当初はアコースティック編成でのライヴを行い、久保田麻琴と夕焼け楽団で知られるケニー井上氏との共演を果たす。
同年、簗島と中村が参加。セッションを重ね、5人編成のバンドサウンドを作り上げる。2018年3月には松崎ナオ氏率いる鹿の一族と共演。7月13日、1st EP『Slow Living』発売。下北沢モナレコードにて初のワンマンライヴ。7月29日にはフジロック・フェスティヴァル '18「ROOKIE A GO-GO」に出演。