ラリーパパ&カーネギーママ 5年ぶりの全国ツアー「Welcome Back Tour 16-17」
感動のファイナル公演がCD化!!
2016年9月の『レインボーヒル2016』出演を皮切りにスタートした全国ツアー「Welcome Back Tour 16-17」。横浜、福岡、名古屋、京都、東京、大阪の全国6都市で合計8公演を開催。5年の沈黙を破り完全復活を宣言することとなったこのツアーから、2017年3月に梅田シャングリラで行なったファイナル公演をパッケージ。
「冬の日の情景」「終わりの季節に」「心象スケッチ」などの代表曲はもちろん、ツアーのために書き下ろした新曲「つむじかぜ!」やラリーパパ名義では初披露となったスチョリのソロ楽曲「ダ・ボン −素晴らしき日々−」、そして5人が父として慕ったロジャー・ティリソンのカバー曲を含む全15曲を収録。ラリーパパ初の紙ジャケット仕様でのリリース。
◎ リリース:2017年5月24日(水)
◎ デジタル・マスタリング/紙ジャケット仕様
◎ オンラインショップ/ライヴ会場限定販売
Thank you Amigo!! −Welcome Back Tour 16-17 in OSAKA−
2017.5.24 Release / citymusic / CMCD-008 / ¥1500 (tax in)
<収録曲>
01. 道々
02. まちとまち
03. どこへ行こう
04. 終わりの季節に
05. つむじかぜ!
06. 冬の日の情景
07. Down In The Flood
08. Get Up Jake
09. Callin' On You
10. 夢を見ないかい?
11. 心象スケッチ
12. 明日はないのさ
13. ダ・ボン −素晴らしき日々−
14. Rock'n Roll Gypsies
15. 黒猫よ、待て!
◎ 2017年5月24日(水)リリース
◎ デジタル・マスタリング/紙ジャケット仕様
◎ オンラインショップ/ライヴ会場限定販売
ラリーパパ&カーネギーママ
チョウ・ヒョンレ:Vocal, Guitar
スチョリ:Vocal, Piano
キム・ガンホ:Guitar, Banjo, Chorus
水田十夢:Bass, Chorus
辻凡人:Drums, Chorus
Produced by ラリーパパ&カーネギーママ / 柳本篤
Recorded live from 梅田シャングリラ 2017.3.18
PA & Mastered by 北畑俊明(Alchemy Studio)
Recorded by 福岡直子(Alchemy Studio)
Artwork & Design by 水田十夢
Photo by 石川耕平
Management by 柳本篤
Thanks & Dedicated to ROGER TILLISON
"Thank you Amigo!!" Album Trailer
− D I S C G U I D E −
話は14年前までさかのぼる。2003年6月、オクラホマ州出身の伝説的シンガー・ソングライター、ロジャー・ティリソンが奇跡の初来日を果たした。ツアーのバックバンドとして白羽の矢が立ったのはラリーパパ&カーネギーママ。大阪・名古屋・横浜・東京の全国4カ所で行なわれた最初で最後のジャパンツアー。ツアー音源は録音はされていたが、これまで日の目を見ることはなかった。
ところが2013年12月、ロジャー・ティリソンが肝臓がんのため逝去。ロジャーを父のように慕っていたラリーパパの5人は、突然の訃報に深い悲しみに包まれてしまう。しかし、このロジャーの死をきっかけにして、ツアー音源リリースに向けてのプロジェクトがスタートした。2015年春、このとき5人は初めて当時の自分たちの演奏を聴くことになった。まだ20代だったあの頃、ひたむきに音楽と向き合う自分たちの演奏。誰が言い出したわけでもないが、ラリーパパ復活の狼煙を上げたのだった。
こうして完成したライヴ・アルバム『ロジャー・ティリソン with ラリーパパ&カーネギーママ / ジャパン・ツアー2003 -ライヴ!-』を携えて、2016年9月から全国ツアー「Welcome Back Tour 16-17」を開催した。5人はロジャー・ティリソンの魂とともに思い出の地へ旅に出る。イベント出演も含め全国6都市8公演を開催。全国各地で復活を待ちわびたファンの前で最高のパフォーマンスを披露。ツアーは大盛況ののちに終了した。
ライヴ・アルバムのリリースとしては2004年の『LIVE』以来となる今回のアルバムは「Welcome Back Tour 16-17」の最終日である2017年3月18日、大阪は梅田シャングリラでの演奏を収録。代表曲「冬の日の情景」「終わりの季節に」「心象スケッチ」などはもちろん、チョウ・ヒョンレがツアーのために書き下ろした新曲「つむじかぜ!」、スチョリのソロ楽曲「ダ・ボン −素晴らしき日々−」、そしてロジャー・ティリソンのカバー曲を含む全15曲を収録。ラリーパパ初の紙ジャケット仕様でのリリースとなる。アルバム・タイトル『サンキュー・アミーゴ!!』は各会場で終演後に撮影した集合写真のネーミングであり、ロジャーへの感謝の意を表したものである。
「道々」のイントロに合わせ、チョウ・ヒョンレがメンバー紹介とともに "始まるよー!" と叫ぶ。もちろんそれはこのファイナル公演の始まりであり、同時にラリーパパ円熟期の始まりを告げているのかもしれない。
− S O N G G U I D E −
01. 道々(作詞・作曲:チョウ・ヒョンレ)
イントロに合わせヒョンレが「まいどー!久しぶりー!」と叫ぶ。早くも会場のボルテージが最高潮に達する。この曲はツアーごとに逞しさを増していった。イントロで長尺のジャムセッションを盛り込むなど、毎回微妙にアレンジを加えていた。ファイナル公演はまさに着地点といえる演奏。
レコーディングでは戦前ブルース風に、名盤ライヴ!ではステイツボロ・ブルース(オールマン・ブラザーズ・バンド)を足してみたり。まぁ、なんやかんやとやりたくなるのは、自分らが飽きてきてるからでしょうな。
02. まちとまち(作詞・作曲:チョウ・ヒョンレ)
これも活動初期から演奏し続けている楽曲のひとつ。同時にライヴ定番曲でもある。ヒョンレのギターとスチョリのピアノが絡み合い、ガンホのギターが疾走、十夢のベースはうねり、辻のドラムが歌う。ミーターズを筆頭とするニューオーリンズ・ファンクに日本語ロックの要素を盛り込んだ傑作だ。
確か、辻、なっちゃん、俺の三人ラリーパパ時代になっちゃんのベースラインから作った曲じゃないかな?いずれにせよ古い曲です。ボーカルは和田アキ子を意識しています。
03. どこへ行こう(作詞:チョウ・ヒョンレ/作曲:スチョリ)
ジョンとポールがそうであったように、ラリーパパの魅力と武器は、ヒョンレとスチョリという稀代のボーカリストが存在することである。ダウン・トゥ・アースな演奏はザ・バンド的であり、"ヒゲロック"を象徴するような1曲。作風からするとヒョンレ的だが、実はスチョリが書き上げた楽曲である。因みに、この曲の終わりでヒョンレは「二度と解散しません宣言」をして会場がどよめきと歓声に包まれた。
そんな大それたもんやないけど、二人で歌うことを前提で曲を書くことが多いねぇー。
04. 終わりの季節に(作詞・作曲:スチョリ)
焦燥感と虚無感。これも活動初期から歌い続けている代表曲のひとつ。特筆すべきは間奏のギターソロ。今ツアーの中でもトップ3に入る素晴らしいプレイ。レスポールがシタールと化している。デュアン・オールマンをアイドルとするガンホだが、このプレイはデレク・トラックスを彷彿とさせる。
スライドギターで気持ち良さげに歌うガンホ。ワン・アンド・オンリーなスケール、手癖の極みまで登りつめたガンホ節。
05. つむじかぜ!(作詞・作曲:チョウ・ヒョンレ)
ロジャー・ティリソンが亡くなってから、ヒョンレが書き上げた新曲。「あの時の約束を今果たそう」「アミーゴ、いつでも用意はできてる」など、このツアーを見据えたかのような歌詞が印象的だ。
歌詞ができずに温め続けてた曲。曲のイメージ、土、空、風みたいな所から離れられなくなっていたところ、ロジャーのことを詩にしたら、あっという間に完成した。
06. 冬の日の情景(作詞・作曲:チョウ・ヒョンレ)
デビュー盤『Good Times Are Comin'』の冒頭を飾る楽曲。ツアー中にいくつかのアレンジを加えつつも、2004年頃のアレンジを下敷きにしている。卓越した5人のコーラス、そしてヒョンレとガンホのギターバトルも聴きどころのひとつ。
CS&Nの「青い眼のジュディ」みたいな曲を書きたい!というのが動機ですかな。つなぎの部分の強引さは若気と性格から起因するもの。アコースティック編成でやる変調のない方がオリジナルに近い。前にマーサでチャリティーでやった、マンドリン弾きながらやるのはなかなか気に入ってます。
07. Down In The Flood(作詞・作曲:ボブ・ディラン)
「Welcome Back Tour」はどの公演も二部構成だった。第一部はラリーパパ楽曲、第二部はロジャー・ティリソンのカバー曲を含めた構成で、この曲は言わずと知れたロジャー・ティリソンのデビュー・アルバム『ロジャー・ティリソンズ・アルバム』(71年)収録曲。2003年のジャパンツアーでも大きな話題となった人気曲で、ラリーパパ流のスワンプロックを展開。冒頭のヒョンレのメンバー紹介は当時のロジャーを真似たものである。
ファイナルの大阪公演だけギターリフを弾きながら歌った。リフを弾きながら歌うのは、なかなか難しい。これからも継続して取り組もう。
08. Get Up Jake(作詞・作曲:ロビー・ロバートソン)
こちらも当時のツアーで演奏したカバー曲。オリジナルはザ・バンド、ロジャーは前述したデビュー作で歌っている。ジェシ・エド・デイヴィスよろしく、"ジェシ・エド・ガンホ"のスライドギターが大活躍。
ザ・バンドのオリジナルよりもロジャーとジェシのバージョンの方が、好きな曲。無骨なブルースロックを再現できたかしら?
09. Callin' On You(作詞・作曲:ロジャー・ティリソン)
ロジャー・ティリソン32年ぶりの新作となった『マンブル・ジャンブル』(03年)収録曲。当時のツアーでは演奏しなかったが、ヒョンレがオリジナルの日本語詞を付けた楽曲。「つむじかぜ!」と表裏一体のような存在で、今後のラリーパパの指針になるような楽曲かもしれない。同時にオクラホマの乾いた風と広大な土地が脳裏に浮かんでくる。
いかにもアメリカなサウンドと楽曲。曲が始まった途端、映画で見た景色がブワッと広がる感じ。けど、もう英語詞を覚えるのに疲れた僕は、勝手に日本語詞を作ってしまった…。でもこの取り組みは今後の作詞にも大変いい勉強になった。
10. 夢を見ないかい?(作詞・作曲:スチョリ)
ツアー中盤から盛り上がる曲としてはずせない定番曲となったスチョリ流のグッドタイム・ミュージック。リードボーカルをメンバーに無茶ぶり、ここではガンホがその標的に。ギターソロのみならずベースとドラムのソロプレイもゴキゲン。ライヴならではのお楽しみが凝縮されている。
スチョリ流ハナモゲラ語、みんな聴きなれたらあかんで!は?ってなるとこ。意味不明やからね。酔うてる時に、この辺のことをガンホに投げたら、おもいろほど小気味よく、スチョリのそこが嫌いやねんて言いそう。
11. 心象スケッチ(作詞・作曲:チョウ・ヒョンレ)
ツインボーカルとリードギターのトライアングル、それを支える鉄壁のリズム隊。三位一体ならぬ五位一体。エモーショナルにしてグルーヴィー。代表曲にして傑作。本編ラストを飾るに相応しい演奏。
曲に年齢が追いついたと思えるパフォーマンスが、今回のツアーではできたと思う。20代の頃に作った曲やのにね。
12. 明日はないのさ(作詞:辻凡人、チョウ・ヒョンレ/作曲:辻凡人)
ここからはアンコールとなる。2010年の『Good Times Are Comin' Again!!』収録曲。辻とヒョンレの共作曲。ラリーパパ流の<スリー・ミニッツ・オブ・パラダイス>な楽曲だ。
ほぼ辻先生の作品。俺はBメロの歌詞を作った程度。牛の歌みたいな作り方を初めて試した曲でもある。スタジオでアレンジを固めるのではなく、コンピューターを使ってアレンジをある程度作ったものをメンバーに渡して練っていく手法ね。
13. ダ・ボン −素晴らしき日々−(作詞・作曲:スチョリ)
ロジャー・ティリソンが亡くなったあと、ガンホはお墓参りのためオクラホマ州タルサへ旅立つ。そのときのことを「タルサ旅日記」として公開。その日記にインスパイアされてスチョリが書き上げた楽曲。2015年1月に7インチ・シングルとしてリリースした。同年5月のアルバム『MOON COUNTRY』にも収録。ラリーパパの5人で演奏するのは今回が初めてである。
スチョリ、ソロ名義の名曲をラリーパパでやるとなったからには!と根気よく取り組んで渾身のエイモス風味のギターを唸り出しました…。スチョリには音数減らせと叱られました。
14. Rock'n Roll Gypsies(作詞・作曲:ロジャー・ティリソン)
ロジャー・ティリソンがジプシー・トリップス時代にリリースした楽曲。ハーツ&フラワーズ、ヴィネガー・ジョー、ジェシ・デイヴィスなど多くのカバー作品が生まれた、ロジャー・ティリソン一世一代の名曲だ。オリジナルの英語詞と、「Callin' On You」に続き、ヒョンレが日本語詞を付けて歌う。
原詩のイメージは幻灯機が映すメリーゴーランド。すべての者に等しく人生は儚い。自分の中では「陽の昇る方へ」に続く、プロレタリアロック詩。当初は日本語詞を歓迎しなかったメンバーも、途中から最後まで歌うことに反対しなくなったのは悪くないということかと笑。
15. 黒猫よ、待て!(作詞:チョウ・ヒョンレ/作曲:スチョリ)
喉が張り裂けんばかりにツインボーカルがともにシャウトする。復活の第1ステージとなった『レインボーヒル2016』で驚くほど客席が沸いたのが「黒猫よ、待て!」だった。他のオリジナル曲に比べて、ライヴ演奏の回数がそれほど多くないが、ツアーが始まると同時にライヴ定番曲として根付いていた。ファイナル公演の締めくくりはこの曲しかないだろう。
本人は忘れてますが、スチョリ作曲、ぼく作詞の曲。当時所属していた事務所のプレゼンライヴ用に作って大失敗した思い出の曲。同じプレゼンライヴでチャンスを掴んだのはいきものがかり。この曲は渾身でないと歌えないのです。
(Text by 柳本篤/Tweet by チョウ・ヒョンレ)
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