ヤイリギターを訪ねて 柳本篤


 

「7月はライヴないからヤイリギターに遊びに行こうや」

 

「ヤイリってどこにありますのん?」

 

「岐阜」

 

「ぎゃふ!!」

 

6月の終わり、僕とヒョンレでこんなやり取りがあった。唐突だ。彼は常日頃から唐突である。言い出しっぺだがそのあとは丸投げすることが得意だ。ズボラというジャンルが当てはまる。とはいえ面白いことを考える人である。ヤイリギター訪問はこうして決まっていった。

 

ラリーパパからチョウ・ヒョンレとキム・ガンホ、僕、夏休み中のヒョンレの愛娘、さらにパイレーツ・カヌーの岩城一彦くんを誘って大人4人子供1人の日帰り旅。当初は7月の予定だったがスケジュールが合わず8月20日に行くことになった。ちょっとした夏休みを満喫することに。大人の遠足、そう言ってもいいかもしれない。

 

交通費を抑えるべく、青春18切符を使って片道3時間半。僕は乗り換えの確認をしながらスマホで写真や動画を撮る。ちょっとしたドキュメンタリーフィルムのようなものを作れれば、と考えていた。

 

訪問記はヒョンレが綴っているので、僕はあまり書かないようにしようと思う。僕が書いてしまうと「あ、もう書かんでええやん」となりかねない。道中の引率と撮影、動画作成で僕の任務は完了だ。いや、任務の追加はある。後日、レーベルHPに訪問記や写真をまとめれればと考えている。

 

動画は2種類。ひとつは構想のひとつだったドキュメンタリーフィルム、もうひとつはヤイリギターでのセッションから「ふらいと」をアップした。ドキュメンタリーなんていうと少々おおげさだが、脱力したおっさんの夏休みの過ごし方を記録した。そしてギターを抱えた瞬間、少年に戻る彼らを見て楽しんでいただければ幸いだ。